NEW閉鎖した「Slashdot Japan」のサイト、ドメイン名の「ドロップ キャッチ」で再度表示…アクセスしないよう注意喚起

セキュリティニュース
ここで紹介するニュースは、ほとんどの場合下記の方法で対策できます。
〇 OS、アプリケーション、アンチウイルスのデータベース等を常に最新の状態に保つ
〇 UTM導入等によるネットワーク全体の防御を行う

閉鎖した「Slashdot Japan」のサイト、ドメイン名の「ドロップキャッチ」で再度表示…アクセスしないよう注意喚起

– 12月16日(日本時間)、かつて存在したWebサイト「Slashdot Japan」が、第三者によって不正に復元されたとみられる事象が、インプレス社「やじうまWatch」「やじうまの杜」にて取り上げられています。

– 当該サイトの管理人とみられる人物が同9日にX(旧・Twitter)上で注意喚起していたもので、使用されていたドメイン名を第三者が取得(いわゆる「ドロップキャッチ」)し、Internet Archiveから過去のコンテンツを取得して表示したものと推測されています。

– 現在も当時のURLでサイトが表示されていることが確認されており、かつての当該サイトのアカウント情報を詐取しようとしている可能性もあるとして、サイトにはアクセスしないよう呼び掛けられています。

AUSからの所感 AUSからの所感

Slashdot Japan(以下・旧サイト)は2015年5月に「スラド」に改名(ドメイン名も移行)しており、以後旧サイトのURLからはスラドのサイトへリダイレクトする状態となっていました(その後2025年3月にスラドも終了しています)。

当該サイトにアカウントを持っており、パスワード管理ツールに現在も情報が登録されている等の場合、(ブラウザーによっては)サイトのログインページへのアクセス時にアカウント情報が自動入力され、ページ上のスクリプトに読み取られる恐れがあることもX上で指摘されています(この他かつてサイトにアクセスしていた際にやり取りしていたCookie情報等も、同じドメイン名で稼働する偽サイトに読み取られる可能性があります)。

旧サイトのドメイン名は一旦失効した後12月1日にドロップキャッチされたとみられ、また11月1日にスラドのドメイン名も同様にドロップキャッチされていることから、こちらも偽サイトが立ち上げられる可能性があり、自衛策として、新旧両方のサイトに対し、パスワード管理ツールに登録されているアカウント情報を消去することや、ブラウザー・UTM等のアンチフィッシング機能においてアクセスを遮断するURLに追加すること等を推奨致します。


年末年始における情報セキュリティの注意喚起、IPAより発表

– 12月16日(日本時間)、IPAより、年末年始を迎えるにあたっての、情報セキュリティに関する注意喚起が出されました。

– 多くの企業・組織において、この時期に従業員等が長期休暇を取得、常駐する人が少なくなる等「いつもとは違う状況」となり、通常時には生じにくい様々な問題が発生し得ることを鑑み、「個人の利用者」「企業や組織の利用者」「企業や組織の管理者」それぞれを対象に、「休暇前」「休暇中」「休暇明け」に行うべき基本的な対策と心得が「長期休暇における情報セキュリティ対策」においてまとめられています。

– IPAでは毎年のゴールデンウィークと夏季・冬季休暇の時期に注意喚起を行っており、また長期休暇に関係なく常時から注意すべき普遍的なものがまとめられた「日常的に実施すべき情報セキュリティ対策」も取り上げられています。

AUSからの所感 AUSからの所感

注意喚起の内容は、システム管理者が長期間不在になる等により、ウイルス感染不正アクセス等のインシデント発生に気付きにくく対処が遅れてしまう可能性から、従業員が旅行先等でSNSへの書き込みを行った場合に、最悪関係者にも思わぬ被害が及んでしまう可能性まで、多様なものとなっていますが、「長期休暇における~」「日常的に実施すべき~」いずれも内容は毎回大きく異なるようなものではありません。

今回のトピックとして、2024~2025年の年末年始においてはIoT機器を中心としたボットネットによるDDoS攻撃が相次ぎ、NISCから注意喚起が出された(AUS便り2025/02/06号参照)ことが取り上げられ、自組織のIoT機器等が不適切に外部に公開されていないか、SHODAN等のサービスも活用して確認するよう呼び掛けられています。

ともあれ、注意喚起等をいつ確認したかに拘らず、その時点で点検すべきことは様々ですので、以後も、ゴールデンウィーク夏季といった長期休暇に備えて、準備・点検を行うよう意識して頂ければ幸いです。


「Notepad++」のアップデーターに脆弱性、偽更新ファイルのダウンロードに誘導の恐れ

– 12月9日(現地時間)、軽量テキストエディター「Notepad++」のアップデート機能に脆弱性があったとして、修正バージョン8.8.9がリリースされています。

– Notepad++に含まれるアップデーター「WinGUp」においてアップデートファイルの検証機能に問題があり、悪意のあるWebサイトに誘導され、偽のアップデートファイルをダウンロードさせられる可能性があったとしています。

– Notepad++のフォーラムでは、10月に古いバージョンのWinGUpが不審なプログラムのダウンロードに悪用されたとみられる事例がユーザーから報告されていた模様です。

AUSからの所感 AUSからの所感

自動アップデート機能に関する修正が行われていることもあり、今回の8.8.9へのアップデートに限り、自動アップデート機能を用いず、公式サイトからインストーラーをダウンロードすることが推奨されます。

フォーラムに報告された事例では、いわゆるDNSスプーフィング攻撃により、偽のサーバーへ誘導された可能性が指摘されており、ブロードバンドルーターや組織で使用するキャッシュDNSサーバーにおいて攻撃が可能となる脆弱性が発生する場合もあり(2024年にはWindowsでも脆弱性が報告された前例があります)、これらに対する攻撃も鑑み、同様にセキュリティアップデートを怠りなく適用することが重要です。